リスキリングを始めたいけどどんなことにチャレンジしたら良いか分からない、ということはありませんか? この記事では初心者向けにシステム開発の流れを簡単に紹介し関連する資格も紹介しています。このサイトの記事をいくつか読むと自分にもできそうな何かを見つけることができるかもしれません。
1 システム開発は大きな投資
システム開発は大きな投資であり、失敗できないプロジェクトです。まずは、システム開発の目的を決めてから、開発予算と工期を決め、これに見合ったソフトを選定します。
2 システム開発の目的
(1) 業務フローを描く
システム開発の目的はほぼ業務の効率化ですから、業務の棚卸しのため業務フローを描くことになります。業務フローの描き方は特に決まったものはありませんので、自社の業務を分かりやすく描ければ良いと思います。
(2) 業務フローで分析する
業務フローを描いて業務を可視化したら、次は業務フローの中で効率化できそうなところがあるか分析します。効率化できそうなところがあればそこの部分をシステム化できるかを検討します。システム化をきっかけに仕事の仕方を変えることも大きなメリットです。
3 開発予算と工期
(1) 開発予算を決める
システム開発には多額のコストがかかります。開発に携わる社員の人件費も含めるとさらに大きくなります。イニシャルコストのほか、ランニングコストを含め、会社の売上げ規模に見合った開発予算を決めなければなりません。
(2) 工期を決める
システム開発の目的を達成するために必要なゴールを設定します。ゴールを達成できるソフトの選定や開発の進め方を決めていきます。最近では、外的環境の変化が速いため、スピード感をもって開発できるものが求められる傾向にあります。
4 ソフトの種類
(1) パッケージソフト
ソフトを購入してマスタを設定すればすぐに利用できるものです。機能に制約あったり、過剰な機能があったりしますが、自社の目的に見合った機能とコストであれば最適です。
(2) ノーコード
あらかじめプログラミングによって作られた部品が用意されていて、この部品を組み合わせることによりソフトを開発していくものです。プログラミングを使わないため、自社の社員で内製化することができ、開発期間とコストを抑制することができます。
(3) ローコード
ノーコードに加えてプログラミングを使ってソフトを開発していくものです。プログラミングを使うため機能を多く作ることができますが、社員にスキルが求められます。商品によっては、サードパーティによってプラグイン(プログラミングによって作られた部品)が提供されているものもあり、ノーコードに近い形で開発できるものもあります。
(4) スクラッチ
プログラミングを使ってソフトを開発していくものです。外注が基本であり、コストも工数も大きくなります。ちょっとした変更でも外注すればコストがかかります。
5 開発の進め方
(1) ウォーターフォール型
開発工程は「要件定義」→「設計」→「開発」→「テスト」→「運用」の順に進みます。ウォーターフォール型は、一つの工程が終わらないと次の工程に進みませんので、設計変更に伴う手戻りが大きなリスクになります。
(2) アジャイル型
開発の対象をいくつかに分けて、「要件定義」→「設計」→「開発」→「テスト」を繰り返しながら開発を進めていきます。設計変更があってもウォーターフォール型に比べて柔軟に対応することが可能ですが、なるべく設計変更が出ないように進めていきます。
6 サーバーの環境
ソフトを選定する際、自社でサーバーを準備しなければならないのか、クラウド環境が用意されているものかも重要な判断材料になります。自社でサーバーを準備する場合にはサーバーの導入や運用にかかる工数がかかりますし、クラウド環境の場合には情報漏えい等のリスクが高まるめISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)を参考にするなどセキュリティの強化を考える必要があります。
7 著作権
ベンダにソフトを開発してもらうのであれば所有権のほか、著作権についても良く理解しておかないと、契約条件が不利になることがあります。
(1)「著作権を発注者へ譲渡する」だけではダメ
契約書に「著作権を発注者に譲渡する」と記載してあっても、著作権のうち「翻訳権、翻案権等」と「二次的著作物の利用に関する原著作者の権利」については、契約書にこれらの権利名を明記しておかないと譲渡の対象にならないので留意します。
(2) 著作者人格権
同じく、契約書に「著作権を発注者へ譲渡する」と記載してあっても、「著作者人格権」については開発者が保有し続ける権利であるため、契約書に「開発者は著作者人格権行使しない」旨を明記しておかないと、発注者は開発者の許諾なしにシステムを改変できなくなるので留意します。
8 おすすめの資格
システム開発に関連するおすすめの資格を紹介します。
(1) 基本情報技術者試験
経済産業省が認定する国家試験で、独立行政法人情報処理推進機構が試験を実施しています。システム開発のほか、情報処理に関する基本的な知識を体系的に学習することができます。
(2) 知的財産管理技能検定
厚生労働省が所管する国家検定で、一般財団法人知的財産研究教育財団が試験を実施しています。著作権や商標権など知的財産に関する知識を体系的に学習することができます。
記事は以上です。
いかがだったでしょうか? ほかの記事も読んでみてこれだ!と思う資格を見つけてチャレンジしてみてください。