Microsoft Power BIって何? | 分析ツールの導入を検討している方へ | Power BIの導入事例を紹介

Power BIって何? データ分析のスキル

経営分析などデータ分析のためにツールを探していませんか? この記事ではデータを分析できるツールとして「Microsoft Power BI」を選定した理由、導入からレポート発行までの流れを簡単に紹介します。

目次

1 データを分析できるツールを探してPower BIを見つけた

経営分析のためデータを分析できるツールを探すことになりました。1人でツールを探して試してみなければならないため、初期費用を抑えつつ、無料のトライアル期間を長くとれるものを探しました。無料のトライアル期間は1か月程度のものが多く、ほかの仕事をしながら1か月でツールを評価することが難しいからです。

漠然と国産で初期費用を抑えられるツールがないか比較サイトなどを参考にして調べたところ、分析に特化した専門的なツールは導入コストが予想以上にかかるものでした。採用しないかもしれないリスクを考えるとなかなかトライアルに進める感じではありませんでした。

このため、初期費用がかからないのから試しました。まず、Microsoftの製品です。自社ではMicrosoftを利用しているため親和性があったからです。試した結果、これがヒットしました。

ここからは、Power BIを検討している方に向けて、選定理由と導入してからレポートを発行するまでの作業のボリューム感について説明していきます。

2 どうしてPower BIに決めたか

以下の理由を根拠にPower BIに選定することにしました。

2-1 初期費用がかからないこと

Power BIはサブスクリプションであり、ソフトの購入費用や初期設定などの初期費用がかかりません。このため、導入後にやっぱりやめたとなってもサブスクリプションの契約を停止すればよく、初期費用を回収できないリスクがありません。

2-2 検証期間を長く確保できること

分析ツールとしてPower BI Desktopを利用しますが、これは無料で利用できるツールのため検証期間を長く確保することができます。

2-3 ノーコードでレポートまで作成できること

データのインポートから分析レポートの作成までノーコードで進めることができます。したがって、プログラミングや難しい関数式を覚える必要はありません。また、エクセルのピボットを触ったことがあれば感覚的に入りやすいと思います。

2-4 データのインポート先が豊富であること

エクセルやCSVのほか、SQLServerやOracleDBなどインポート先が豊富なので他のシステムとデータ連携が容易です。また、Power BIで作成したレポートはPDFやOffice製品で出力できますのでPower BIを利用することによってさらなるツールを準備する必要もありません。

3 Power BIを利用するにはどうすれば良いか

3-1 ツールの仕組み

自分のパソコンで分析レポートを作成して、社内に共有するためにはツールを2つ使います。「Power BI Dektop」と「Power BI Pro」です。

「Powe BI Desktop」・・・自分のパソコンにインストールして利用するツール(ソフト)です。このソフトを使ってデータを取り込み、加工して、分析レポートを作成します。ソフトの利用料は無料です。したがって、個人で分析レポートを作成するたけであればPower BIを無料で利用することができます。

「Power BI Pro」・・・分析レポートを共有するツール(ライセンス)です。個人が作成した分析レポートを社内に共有するときに必要となるライセンスです。共有する者の数だけライセンスが必要になるので共有先が多くなると年間のライセンス料が高くなってしまいます。

3-2 「Power BI Desktop」による作業

データの取込み → データの加工 → 分析レポートの作成 といった流れです。

3-2-1 データの取込み

データの取込みで重要なことは、取り込むデータをなるべくきれいに整理しておくことです。どのような分析レポートが欲しいか要件を整理したら、どのようなデータを取り込んだらよいか考えます。データモデリングとか言われていますが、どのような形にデータを整理したら良いか初めたころは試行錯誤することになると思います。

3-2-2 データの加工

取り込んだデータの加工を行います。集計する列を追加したり、列の合計値を使った計算式を追加したりします。取り込む前に整理できるものもありますが、取込み前後のどちらでデータを整理するかは作業効率を考えて決めることになります。データの加工で操作した内容はPower BIが記録しています。マクロの感覚です。したがって、元のデータに新たなデータを追加するとPowe BIが記録した操作を自動で行いレポートに必要なデータの整理を自動で行ってくれます。

3-2-3 分析レポートの作成と発行

加工したデータを使って分析レポートを作成します。表現したいグラフを選択してX軸とY軸にどのような分析の属性を持たせるか、マウスで属性をドラッグ&ドロップします。ピボットを触ったことがあれば同じような感覚で進めることができます。レポートを作成したらPower BI Proのワークスペースにレポートを発行します。発行する際に共有したい者を指定します。

3-3 「Power BI Pro」でできること

レポートの共有者は分析レポートを閲覧することができます。レポートの発行者がアクセス権を設定することにより、閲覧だけでなくレポートの元となったデータを使ってさらに分析をすることもできるようになります。分析できるようにするとデータをダウンロードすることができてしまうため、セキュリティを勘案してアクセス権を設定するようにします。

4 まとめ

分析ツールを使うとデータ分析の作業効率がかなり上がります。これまで紙で報告していた月次の報告をPower BIのレポート(デジタル)を使って報告できればDXを推進することができ、データをすぐに分析できるため経営の意思決定を早めることができます。新しいツールを使おうと思うとそれなりの学習時間は必要になりますが、Power BIは直感的に操作できますし本や動画で学習できる教材が出てきていますので一度トライしてみてはどうでしょうか。

5 おすすめの学習

体系的に学習できる資格がありませんので、おすすめの学習方法を紹介します。まずは、全体像を理解するために動画を視聴します。いろいろ動画が出ていますので、入門的な動画を1.5倍速程度でざっと理解します。手順を理解しようと思っても触ってみないと覚えられないので動画では頑張って覚える必要はありません。

動画の次は本です。サンプルデータが付属された本で実際にPower BI Desktopを使ってみます。自分が使った本として、

ざっと全体を理解するために、「よく分かるPower BI―データを可視化して業務効率化を成功させる方法 (㈱インプレス) 2023年10月1日 初版発行」

さらに深堀りするために、「Power BIではじめるデータ分析の効率化 (㈱インプレス) 2024年7月21日 初版発行」

 レポートの発行部分を補強するために、「できるPower BIデータ集計・分析・可視化のノウハウが身につく本 (㈱インプレス) 2024年6月21日 第1版 第10刷発行」

を使いました。本は自分にあったものを選べば良いですが、なるべく新しく出版されたものを選びましょう。あまり古いものだと、ソフトの挙動が変わり初心者にとっては負担が増えます。

記事は以上です。

いかがだったでしょうか? ほかの記事も読んでみてこれだ!と思う資格を見つけてチャレンジしてみてください。

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