リスキリングを始めたいけどどんなことにチャレンジしたら良いか分からない、ということはありませんか? この記事では初心者向けに「社内Wi-Fiって何?」を簡単に解説し関連する学習も紹介しています。このサイトの記事をいくつか読むと自分にもできそうな何かを見つけることができるかもしれません。
1 社内Wi-Fiに変更するきっかけは?
社内のLANはこれまで、ルーターからハブ(中継器)を通り自分のパソコンまでをLANケーブルで結ぶ有線LANが一般的でした。
これに対して、LANケーブルで結ぶ機器の間を無線化したものが無線LANです。Wi-Fiは無線LANで使われる無線通信規格のひとつですが、「無線LAN」=「Wi-Fi」の意味で使われることが多いです。
有線のLANケーブルはOAフロアの床下を通っていることが多く、机のレイアウト変更などでLANケーブルの張替えが必要になった場合にはかなり負担が大きくなります。
このため、これから事務所の引越しや机のレイアウト変更を予定しているのであれば、社内のLANをWi-Fi化してしまうことを検討してもよいでしょう。
2 社内Wi-Fiのメリット
2-1 LANの配線が不要になる
Wi-Fiを使えばLANケーブルの配線が不要です。このため、机のレイアウトの変更やLANケーブルの故障によるLANケーブルの張替えが不要になります。
2-2 自分のデスク以外でも仕事ができる
Wi-Fiに接続できれば自分のデスク以外でもパソコンを使って仕事ができます。フリーデスクや会議室などでも容易に社内LANに入って仕事ができます。
2-3 モバイル端末も接続できる
LANポートがないスマートフォンやタブレットでもWi-Fiに接続することができます。タッチパネルを使って資料を拡大することができるタブレットを使えば比較的安価に会議資料のペーパーレス化を実現することができます。
3 社内Wi-Fiのデメリット
3-1 無線であるためセキュリティリスクがある
有線と違って無線で情報を送受信するため盗聴などのリスクがあります。Wi-Fiの導入にあたっては無線特有のリスクを認識したうえでセキュリティ対策をしておきましょう。
3-2 接続が不安定になったり通信速度が遅くなったりすることがある
有線と違って無線は利用する場所によって接続が不安定になったり、アクセスが集中すると通信速度が遅くなったりします。この点を踏まえて社内Wi-Fiを構築しましょう。
4 社内Wi-Fiの構築
4-1 Wi-Fiルーターを設置する
通信会社が設置した光ファイバーケーブルをONU(端末終端装置)につなぎます。一般的にONUの設置までが通信会社の工事であり、責任分界点になります。
このONUに自社で準備したWi-FiルーターをLANケーブルでつなぎます。そして、Wi-Fiルーターに自分のパソコンをWi-Fiで接続すると社内LANを利用することができます。
4-2 メッシュWi-Fiも検討する
メッシュWi-Fiは、複数の機器を用いて無線通信のエリアを広げます。通信経路のどこかで障害が発生しても、障害地点を迂回して正常に通信することができます。
4-3 Wi-Fiルーターは機能をよく見て選ぶ
社内Wi-Fiの構築にあたって自社に適したWi-Fiルーターを選ぶことが重要なポイントになります。選ぶポイントは次のとおりです。
4-3-1 通信規格がいくつかあります
通信規格は新しい順に「Wi-Fi7(IEEE802.11be) 最大46000Mbps」「Wi-Fi6,6E(IEEE802.11ax)最大9600Mbps」「Wi-Fi5(IEEE802.11ac) 最大6900Mbps」「Wi-Fi4(IEEE802.11n) 最大600Mbps」があります。新しい規格のものほど通信速度は速くなりますが、価格も高くなります。
Wi-Fiルーターの寿命が4~5年程度といわれているので、寿命で買い替えることを前提に現在主流の通信規格のものを選べば十分でしょう。現在の主流は「Wi-Fi6,6E(IEEE802.11ax) 最大9600Mbps」です。
4-3-2 帯域が異なります
帯域は通信規格ごとに異なり「Wi-Fi7(IEEE802.11be) 周波数帯2.4GHz帯,5GHz帯,6GHz帯」「Wi-Fi6,6E(IEEE802.11ax) 周波数帯2.4GHz帯,5GHz帯,6Ghz帯(6Eのみ)」「Wi-Fi5(IEEE802.11ac) 周波数帯5GHz帯」「Wi-Fi4(IEEE802.11n) 周波数帯2.4GHz帯,5GHz帯」です。
一般的に周波数が高いほど電波の干渉に強く安定して高速通信が可能ですが、電波の直進性が高いため障害物に弱く有効範囲が狭いという弱点があります。いま発売されているWi-Fiルーターの多くは、複数の周波数に対応することで周波数帯域を使い分けられるようになっているため安定して通信することができます。
4-3-3 同時接続数を確認する
社内Wi-Fiを導入する場合、同時接続の可能台数も重要なポイントです。オフィスで使うパソコン台数を確認のうえ、自社の規模に適したWi-Fiルーターを選んでください。
4-3-4 セキュリティ対策を強化する
盗聴や情報漏えいなどを防止するため、セキュリティ機能が優れたWi-Fiルーターを選びましょう。セキュリティ対策の詳細は後述しますが、「法人用のWi-Fiルーターを利用する」「最新の規格による通信の暗号化を行う」「エンタープライズ認証を行う」などです。
4-3-5 ゲストWi-Fiも提供できる
来客が多い会社では、来客用に「ゲストWi-Fi」を提供することができます。業務用Wi-FiルーターでゲストWi-Fiを設定すれば、従業員が使用するWi-Fiと来客用のWi-Fiを分離することができます。
5 社内Wi-Fiのセキュリティ対策
社内Wi-Fiを構築する場合、悪意ある第三者から社内の情報を守るためにセキュリティ対策が必要です。
5-1 業務用Wi-Fi機器を使用する
社内Wi-Fi環境を構築するときは、業務用のWi-Fiルーターを使いましょう。業務用のWi-Fi機器には不正アクセスを検知して遮断する機能が備わっているものが一般的です。
5-2 最新の暗号化規格を利用する
暗号化の規格は、新しい規格の順に「WPA3」「WPA2」「WPA」「WEP」があります。現在の主流は「WPA3」「WPA2」ですが、できれば「WPA3」を利用したいところです。「WPA」「WEP」は脆弱性が強く指摘されており利用に適していません。
5-3 エンタープライズ認証を採用する
エンタープライズ認証には、従業員ごとにIDとパスワードを発行する「ID/パスワード認証方式」と、電子証明書を導入した端末にアクセスを許可する「電子証明書認証方式」があります。従業員が同じID/パスワードを利用する場合には、従業員が退職するたびにID/パスワードを変更しなければならず運用に負担がかかります。
5-4 来客用のネットワークを分ける
来客用のネットワークと従業員用のネットワークを分けます。来客用のネットワークから社内ネットワークに入れないようにすることでセキュリティを確保することができます。
6 まとめ
今回は社内Wi-Fiを導入する際のポイントを整理してみました。Wi-Fiは有線LANに比べて通信が安定しないことがあったり、盗聴などのセキュリティリスクがあります。このため、自社の環境に適したWi-Fiルーターを選び、社内LANのWi-Fiに勝手に接続できないようにセキュリティ対策をとることが重要です。
7 おすすめの学習
比較的学習しやすい資格を紹介しますので、これだと思うのがあればチャレンジしてみましょう。
7-1 ITパスポート試験
経済産業省が認定する国家試験で、独立行政法人情報処理推進機構が試験を実施しています。ネットワークに関することのほか、IT全般に関する基礎的な知識を体系的に学ぶことができます。
7-2 基本情報技術者試験
経済産業省が認定する国家試験で、独立行政法人情報処理推進機構が試験を実施しています。ネットワークに関することのほか、情報処理に関する基本的な知識を体系的に学習することができます。
記事は以上です。
いかがだったでしょうか? ほかの記事も読んでみてこれだ!と思う資格を見つけてチャレンジしてみてください。